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2月に夫が旅立ちました

すっかり新型ウイルスのせいで日常が様変わりしてしまった方々も多いかと思いますが
皆さまお元気でお過ごしでしょうか。

早くちゃんと報告をしなくては、と思いつつ
こんな時世となりタイミングを逃していたのですが、
2020年2月3日に夫が亡くなりました。

実は3年間肺がんの闘病をしており、
ずっと隣りで支えていたのですが
ついにその日がきてしまいました。

そもそも、私が結婚したこと自体、
ここで報告していなかったのですが
昨年の11月に入籍しました。
ずっと事実婚でいいと思っていたのですが
夫が突然「婚姻届出さない?」と言い出して。
おそらく先が長くないと悟った夫は、
ちゃんと形を残しておこうと思ったのだろうと思います。
今となっては子どもがいない私たちにとって
戸籍という形で一緒にいたという証拠が残せてよかったと思っています。

がんが発覚した3年前、夫は脳梗塞で入院していました。
(肺がんが原因の脳梗塞でした)
ステージ3Bで、すでに手術はできないところまで進行していました。
そのときはショックでしたが、
今はさまざまな薬があることを知り、
しかもいくつかの薬がよく効いてくれたので、
私も夫も前向きに希望をもって闘病に臨んでいました。

結果的に夫は一生懸命治療に耐えぬき
一般的な余命の中央値よりも長く生きることができました。
それでも61歳という若さ。
どんなに悔しく無念だったかと思うと、
涙があふれて仕方ありません。

最後の2週間は本人の希望もあり、
自宅で看護しました。
初の完全介護でしたが、
ケアマネージャーさん、ヘルパーさん、看護師さん、
訪問診療の先生など、たくさんの方々に支えていただきながら
無事に看取ることができました。
毎日誰かしらが家に来るように予定を組んでくださり、
いつも「ちゃんと寝られてる?」「困ったことある?」と
声をかけてくれて、何かあるとすぐに駆け付けてくれて。
まったく心細さや弱気になることがなく、
日本の福祉って捨てたもんじゃないな!と心から思いました。

今、夫が旅立ってから2カ月半が経ちますが
一人で生きているようで二人で生きているような
不思議な感覚です。
2カ月半も夫と会話しないことなど今までなかったので
寂しくないといえば嘘になりますが、
わりと一人暮らしの生活に慣れてきています。
夫が入院していたときは家で一人だったので、
その延長のような感じ…なのかな。

徐々に徐々に存在を消していくように亡くなったからか、
とても自然なことのように死を受け止められている気がします。

亡くなったことはもちろんすごく悲しいのですが、
夫の死とともに私のバージョンがアップデートされたような感じで、
今の私は新しい私、という比較的前向きな気持ちでいます。

夫と過ごして学んだことは山ほどあります。
がん治療のこと、障害年金のこと、お金に困ったときに行政でしてくれること、
介護のこと、看病する人の気持ち、葬儀のこと、未亡人の気持ちなどなど。
これは私の大事な知識や経験となり、身になっています。
これがバージョンアップの源なんだろうな。
こんなに貴重な経験をさせてくれた夫に、心から感謝しています。

とはいえ、闘病真っ只中のときは
素直に「感謝」などと思えなかったことも多々あります笑。
「なんで私が」「自由がほしい」と何度思ったことか。。
そんな思いが爆発してケンカしたこともたくさんありました。。
今思えば肉体的に苦しいのは夫の方なのに、
ひどかったなぁと思いますが…。

でも最期まで「もうこれ以上できない!」というほどやりきったので
私自身、後悔はほとんどありません!
大変ではあったけれど自宅看護にしてよかったです。
いつかまた夫に会えるときがあるなら、
「どうだった?幸せだったでしょ?」と聞いてやりたい笑

いつか夫からいただいた貴重な経験を
何らかの形で出していけたらと思っています。
それが私の仕事ですから!

まずはこの新型ウイルスの危機を乗り越えつつ
今できることを粛々と進めてまいります。

看病でできなかった仕事もたくさんありますので、
今は少し時間にも余裕があるし
これからはもっと精力的に頑張ります!!


関由佳
Posted by関由佳

Comments 12

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ケロロ

全く同じで

ネットで偶然ブログ拝見し、内容が全く自分とかぶっていたのでビックリしました。私の主人も今年2月肺がんステージ4Bで緩和ケア病棟で63歳で他界し、その時の自分の気持ちやそれまでの日々の気持ち全くリンクしていてビックリしました。同じ気持ちに共感し、ただ ただ 驚きました。落ち込む毎日でしたがなんか
少しずつ前を見られる気持ちになりました

2020/11/01 (Sun) 08:20
関由佳

関由佳

Re: 2月に夫が旅立ちました

コメントをありがとうございます!

なんと、本当に似ていますね…!
旦那さんのご年齢も同じくらいで、お若い旅立ちとなられたこと、本当にお悔やみ申し上げます…。

私もこのブログで、同じような経験をされた方と繋がれたり、共感し合えたらいいなとずっと思っていました。
ですので、こういったお声をいただけて、すごく純粋にうれしいです!

また、私の経験が誰かの役に立てばと、今、闘病生活とその当時の心境について連載記事を書いています。
https://00m.in/AhJnO

お辛くないときにもしご興味があれば、どうぞご覧ください。

2020/11/01 (Sun) 09:02

服部利恵

ありがとう😊

妹に「お姉ちゃんに読んで欲しい方のブログがある」と言われて検索し読ませて頂きました。
私も2020年8月19日に食道癌で主人が56歳で亡くなりました。大好きで大切で、どれだけ泣いたかわかりません。1年の闘病生活、色んな気持ちを味わいました。
恐怖、不安、悲しみ。その中で過ごす当たり前の日常がとても幸せでした。本当に主人には、大切にして貰いました。ブログ読ませて頂き、気持ちに共感して、すーっと胸に落ちていきました。「そうそう、わかるわかる」と。私も前を向いて今歩き出しています。じゃないと主人が悲しい顔するから。やっぱり大好きな人には、笑っていて欲しい。最期は、「その時が来たらちゃんと迎えに来る。それまで自分の人生楽しんで」と。だから、楽しみたいと思います。それでもやっぱり今でも涙が出て溢れてくる時、沢山あります。

2020/11/14 (Sat) 19:22

井口和子

闘病

還暦を迎えたばかりの夫が高悪性度B細胞リンパ腫で入院して化学療法治療をしています。
退職前に買ったばかりの新居に住んで荷物を整理してやれやれと思った矢先の2ヶ月後に虫歯治療から顎に激痛がそして大学病院歯科で顎の骨髄炎と診断治療して2ヶ月後には全身に腫瘍が表れ検査するとかなり進行の早い悪性リンパ腫です。化学療法を受けてますが首から上には抗がん剤は効きにくく入院して4ヶ月ですが余命はあまり無さそうです。
還暦すぎて退職したら新居近くをランニングする事を楽しみにしていた夫が可哀想でなりません。
そして専業主婦の私が独りで知り合いの居ない新居に独りで住んでいかないといけないのかと思うと寂しくてとても辛いです。
夫のみとりや葬儀などひとりでやっていかなければならない不安で心が張り裂けそうです。
今を生きることだけを考えようとしても難しいです。
こんな状況をどうすればいいのでしょう。

2020/11/23 (Mon) 10:12

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2020/11/23 (Mon) 10:14

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2020/11/23 (Mon) 10:14
関由佳

関由佳

Re: 闘病

コメントをありがとうございます。
今、とてもおつらいですね…。

この先のことが恐くて仕方がないという気持ちは、私も夫が病気になったばかりのときと、亡くなる数カ月前に強く感じました。
周りに相談できるご家族や友人はいらっしゃいますか?
私は信頼できる友人にポロポロと漏らしたりしていましたが、つらくなったら誰かに正直な気持ちを打ち明けると、ほんの少し気持ちが軽くなりました。
身近な方が病気になると、なかなか本音が言えない環境にあると思います。
ここのブログでも大丈夫ですので、心の中の苦しみを吐き出せる場所を作ってくださいね。

2020/11/24 (Tue) 01:07
関由佳

関由佳

Re: ありがとう😊

コメントをありがとうございます。お返事が遅くなり、ごめんなさい。
妹さんにブログを紹介いただいたのですね。利恵さんとご縁をつないでいただけて嬉しいです。

大切な人を亡くされて、とてもつらかったですね。
私も、闘病生活は複雑な気持ちがありつつも、その瞬間瞬間が大切で、なんでもないときに比べて思い出が深くなっているような気がします。

ブログの内容を共感していただいて、私もとても励まされました。
ご主人さまに「迎えに来る」と約束されたなんて、とっても素敵です…!
どうしても前に進んだり立ち止まったりと、ペースはゆっくりになりますが、それでも「楽しみたい」という気持ちが持てることがとても大切なのかなと感じました。
ご主人さまの魂とともに過ごしながら、少しずつやさしい時間が増えてくることを、心から祈っています。

2020/11/24 (Tue) 01:18

はなぼう

私も同じです

リアルタイムな内容なので思わずコメントしました。私の主人も47歳で気がついた時には胃癌ステージIV
抗がん剤もやったけど、余命3ヶ月でした。直ぐにcvポートを居れて点滴から栄養や水分取ってました。その後、入退院を二回程繰り返し、最終的に本人希望で自宅で看取りました。全く同じ状況でした。我が家には小学生の息子が一人いて、介護休暇を取って最後までやっていました。自宅で看取りされて逝くなら本人も幸せではないかと最近は思います。そんな事か、人間ドックもしっかり行い早期に病気を発見して術後です。寂しいけど、私はたぶん平気です。きっと色々と覚悟をする様に同じく看護師さんからキツく言われたから。その後の事も考えてなんだろうなあと今は思います。関さんもご自愛ください

2020/11/29 (Sun) 16:19
関由佳

関由佳

Re: 私も同じです

お返事が遅くなりましてすみません…!
はなぼうさん、コメントありがとうございました。
おつらいご経験をされたのですね。共通点がたくさんあって、とても驚きました。
自宅での看護はとても大変ですが、本人の希望を尊重できたという思いから、自分の気持ちも少し納得させることができる気がしています。きっと、はなぼうさんのご主人様も幸せだったと思いますよ!
私も自分の体を大事にしなければと、今年から人間ドックやがん検診に行くようになりました。はなぼうさんも術後とのこと、お体くれぐれもご自愛くださいませ…!

2021/01/02 (Sat) 21:22

五十嵐 由美子やくりょお

夫との死別

初めてコメントさせて頂きます。時々Yahooニュースで記事を拝見させて頂いております。
私は今年の6月に夫(66歳)を亡くしました。一昨年の3月に脳動脈瘤(2018年12月に
MRIで発見)の開頭手術をして成功したのも束の間、その年の7月に肺腺癌のステージ4
と診断され手術もできない状態でした。結婚生活の大半は単身赴任でした。
仕事大好き人間で抗がん剤治療を受けながら、遠方に出張して3月には大好きな新入社員
研修も行い、4月にはフォースラインの治療で入院する前々日迄出張し、本人のモットーで
あった”生涯現役”を全うしました。抗がん剤が効かなくなり、コロナで面会もできなく絶望の
淵にあった夫はい病室から門徒になっていた住職に葬儀を依頼して、費用まで決めて逝って
しまいました。そして、看取りの在宅介護では毎日笑顔を欠かさない夫に、悪妻だった私は
最後の夫との約束のパートの仕事を続ける約束は続けておりますが、毎日何かのタイミングで
涙が出ます。そんな折、関さまの記事を拝見致しました。

2021/09/26 (Sun) 18:39
関由佳

関由佳

Re: 夫との死別

五十嵐 由美子やくりょおさま
コメントをありがとうございました。お返事が遅くなりまして本当に申し訳ございません。
大変なご経験をされたのですね…。とてもバイタリティ溢れるご主人様で、最後まで精いっぱい頑張られたのだなと感じました。
お別れして1年となりますが、その後お気持ちはいかがでしょうか…?
年数が経ったからといって、変わらないこともあるし、時間が経ってみると変わったことに気づくこともあるのかなと思います。
ご自身のお体とお気持ちを第一にお過ごしくださいね。

2022/06/01 (Wed) 21:50